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わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。 2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。 わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。 人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。 そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。 介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。 今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。 『 前橋市社会福祉協議会は、市内の独り暮らしの高齢者約七千五百人に、持病や緊急連絡先などを記入する「安心カード」を配布し、記入後に救急隊員らが分かりやすいように冷蔵庫に保管してもらう事業を六月をめどに始める。 社協によると、救急隊員らが独り暮らしの高齢者宅に駆け付けても、本人が会話できない状態で、対応が遅れる場合が少なくない。 このため、カードに基本的な個人情報のほか、かかりつけ医や常用薬、アレルギーの有無、手術歴なども記入。ペットボトルサイズで、上部が開閉できるプラスチックの容器に入れて冷蔵庫のドアポケットに置き、ドアの外部には赤色で大きなハートマークのシールを磁石で張り付ける。 社協は市内の民生委員約六百人を通じて、六十五歳以上を対象にカードや容器を配り、今後は障害者などにも広げる方針。
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独り暮らしの高齢者7500人 『安心カード』配布へ(東京新聞より)

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