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「自」ビールいかが (読売新聞より)
洗足のパブ

東急目黒線洗足駅近くで「自ビールパブ パンゲア」(品川区小山7)を営む小畑(こばたけ)昌司(しょうじ)さん(39)が店内で醸造した4種類の発泡酒を売り出した。自分で造って自分で売るから「自ビール」とした。店で醸造した発泡酒をその場で飲めるのが売りで、全国的にも珍しいという。味は日々、向上している。(土方慎二)

 小畑さんは大学卒業後にバーや居酒屋などで修業を積み、旅行で訪れた英国のパブに魅了され、2004年に今の店を開業した。06年には全国で10人しかいないビール審査の最高資格「マスター・ビアジャッジ」(日本地ビール協会認定)も取得し、店では国内の地ビールを中心に約500種類ものビールや発泡酒を扱ってきた。

 転機は2年前、地ビールメーカーに勤務する客から「技術的には難しくない。自分でビールを造ってみたら」と勧められたことだった。「ここでしか飲めないものを造りたい」と、すぐにビールの製造法や酒税法などの勉強を始めた。

 ビールの醸造免許を取得するには年60キロ・リットルの醸造が必要なのに対して、発泡酒なら同6キロ・リットルで認められることから「自分の店だけでもさばける」と今年7月に免許を取得した。

 ビールの副原料としては認められない柑橘(かんきつ)類の皮と、ビールと同じくらいの量の麦やホップを使い、ビールに匹敵するコクのある発泡酒の製造に成功した。麦汁とホップを店内に置いた自作タンクに入れ、醸造に必要なビール酵母を加えることで3週間ほどで完成する。

 8月末から販売している定番の自信作はエールタイプの4種類。ずっしりとした苦みが特徴の「サムアップビター」、リンゴ果汁の「ライオン・サイダー」、すっきりした味わいの「洗足ゴールド」、アメリカ系のペールエール「洗足イチョウ並木」。このほか期間限定の発泡酒も不定期で造っている。

 「造るのは簡単だが、おいしいものを造るのは難しい」と小畑さん。酵母の管理などがうまくいかず、まだ余分な酸味などが入ってしまうことがある。それでも初めて口にした客の大半は「面白い」と言ってくれるという。小畑さんは「これをすべて『おいしい』に変えてみせる。地元の盛り上げにも一役買いたい」と張り切っている。問い合わせは、パンゲア(03・3782・7699)へ。
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